検査項目

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生化学検査

糖代謝の検査

【血糖(GLU)】

血糖値とは血液中のブドウ糖の濃度のことです。食後に炭水化物が消化されてブドウ糖になり血液中に吸収されます。血糖値は食後にすぐ上昇するため食事の影響のない食前、あるいは食後3時間以上経過後に検査することが望ましいです。空腹時の血糖値が高い場合は糖尿病の可能性があるため精密検査が必要です。また、極端に血糖値が低い場合はインスリンの過分泌状態も疑われます。
糖尿病でなくても、妊娠、ホルモン分泌異常などで高くなることがあります。

【ヘモグロビンA1c(HbA1c)】

血糖値は、食事の影響を受けやすいですが、HbA1cは採血直前の食事などの影響を受けず、約1~2ヶ月間の血糖値の状態を知ることができます。そのため、糖尿病の検査には欠かせない検査項目の一つです。

脂質代謝の検査

【総コレステロール(TC)】

総コレステロールは、血液中の重要な脂質です。主な働きは細胞膜や血管壁を構成します。また、副腎皮質ホルモンや性ホルモンを合成する材料になります。しかし、この値が高くなると動脈硬化が引き起こされる可能性が高くなります。

【HDLコレステロール(HDL-C)】

血液中の余分なコレステロールを肝臓に運ぶ役割をしています。血液中のコレステロールが増えるのを防ぎ、動脈硬化を予防すると言いわれており、「善玉コレステロール」と呼ばれています。値が低下している場合は、過食・運動不足・肥満などに影響され動脈硬化の原因となります。

【LDLコレステロール(LDL-C)】

LDL-コレステロールはコレステロールを細胞に届ける役割があります。食生活などの生活習慣に影響されやすいといわれています。細胞に必要以上にコレステロールが増えてしまうと、血管を硬化させ動脈硬化を促進させ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす危険性が高まります。そのためLDLは「悪玉コレステロール」と呼ばれています。

【中性脂肪(TG)】

中性脂肪はエネルギー源として体に備蓄されます。肥満とは体に余分な脂肪のついた状態をいいますが、この体につく脂肪の大部分が「中性脂肪」です。内臓に沈着すると臓器障害の原因になります。また、血液中の中性脂肪が増加した状態が続くと、動脈硬化の危険性が高まります。

肝機能の検査

【AST(GOT)】

ASTは肝臓・心臓・筋肉の細胞に多く存在するため、主に肝臓や心臓の状態を把握するために測定されます。肝炎や心筋梗塞、赤血球が壊れたとき、激しい運動後などで高くなることが知られています。ASTが単独で高い場合は、肝機能より、心臓、筋肉、血液系に問題がある可能性があります。

【ALT(GPT)】

ALTは主に肝臓に存在する酵素で、肝細胞が壊れると血液中に出て高い値になります。ASTの値と比較して肝臓病・血液疾患・筋疾患などの鑑別が可能となります。

【γ-GT(γ‐GTP)】

γ-GTは主にアルコール性肝機能障害や胆嚢結石などの胆嚢系統の病気や膵臓系統の病気で高くなります。ASTとALTと併せて肝臓機能の状態を把握することができます。一般的にγ-GTはアルコール習慣の指標とされ、禁酒すると2週間後に前回値の1/2程度に改善すると言われています。また、一部の薬剤の服用によっても上昇します。

腎機能の検査

【尿素窒素(BUN)】

尿素窒素(BUN)は,血中の尿素に含まれる窒素分を表します。尿素はクレアチニン,尿酸などとともに,含窒素物質の終末代謝産物で、腎を介して排泄されます。尿素窒素の検査から腎臓の働きや蛋白代謝の状態を把握することができます。値が高い場合は腎機能障害や脱水などが考えられます。

【クレアチニン(CRE)】

クレアチニンは、筋肉の中に含まれるクレアチンという物質が分解されてできた老廃物です。クレアチニンは腎臓へ運ばれて、腎臓の糸球体という場所でろ過されて、直接尿へ排泄されます。このクレアチニンの排泄量は、筋肉の発育(年齢、体重)と運動量に関係するといわれています。値が高いと腎臓機能の低下・筋肉の病気・脱水などが考えられます。

尿酸の検査

【尿酸(UA)】

尿酸はプリン体という物質が分解してできた老廃物で、血液中の濃度が高くなると、 溶けきれなくなった尿酸が結晶化します。 尿酸の結晶が痛風の原因になります。プリン体を多く含む食事やアルコールの飲みすぎなどに注意が必要です。

たんぱく代謝の検査

【総蛋白(TP)】

血液中にはいろいろな種類のたんぱく質が含まれており、身体の代謝を助けています。この検査が高くなる場合には、骨髄腫や脱水症状などが考えられます。低くなる場合は、食物から栄養が十分取れていない時、肝臓の病気、糖尿病、腎臓の病気などが考えられます。

【アルブミン(ALB)】

血液中たんぱく質の約65%を占め、栄養分などを全身に運びます。その量や変化の仕方によって病気との関連を調べることができます。アルブミンが増加する病気はあまり知られていませんが、低くなる場合は、栄養不足、消化・吸収の能力の低下、消耗性疾患、肝硬変、ネフローゼなどがあります。アルブミンが少なくなると、栄養が行きわたりにくくなり、疲れやすくなったり、だるくなりやすかったりします。

腫瘍マーカー検査

p53抗体

【p53抗体】

検査の目的:p53抗体の量で早期のがんの可能性を調べます。

癌抑制遺伝子であるp53遺伝子に異常が起こると、変異したp53蛋白が生じます。p53抗体はこの変異した蛋白に対する抗体です。遺伝子変異での抗体であるため、比較的早期のがんの段階から血液中に出現することになります。p53抗体は、食道がん、大腸がん、乳がん、で陽性率が高いため、2007年11月から一般医療機関でのがんの診療において保険適応が認められています。

PSA

【PSA】

検査の目的:PSAの量で前立腺の状態を調べます。

PSAは、前立腺上皮および尿道周囲腺で産生される糖タンパクで、前立腺特異抗原と言われています。名前から推測できるように、PSAは前立腺に特異的で前立腺がんになると血中に増加してきます。そのため、PSAは、前立腺がんの診断や経過観察には非常に有効なマーカーと言われています。その他、良性疾患ではありますが、前立腺肥大症や、前立腺炎などでも値が高くなることが知られています。なお、近年、わが国における前立腺がん患者の増加率は著しく、増加率は全悪性腫瘍の中で1位になると予想されています。

CA15-3

【CA15-3】

検査の目的:CA15-3の量で主に女性特有の臓器の状態を調べます。

CA15-3は、乳がんに特異性の高い腫瘍マーカーです。ステージが進むほど異常値を示す割合が高くなります。また、p53抗体と組み合わせると精度が向上すると言われています。乳がんの他に、卵巣がん、子宮がん、膵がん、肺がん、胃がん、大腸がんで陽性となる場合があります。また、肝硬変や妊娠などでも上昇する場合があります。

PGⅠ.PGⅡ

【ペプシノゲンⅠ/Ⅱ】

検査の目的:ペプシノゲンの量で胃の状態を調べます。

胃粘膜の萎縮(萎縮性病変)が進むと胃癌になりやすいことが知られています。このペプシノゲン検査法は血液中のペプシノゲンの量を測り、胃の粘膜の萎縮の程度を判定します。

ペプシノゲンにはペプシノゲンⅠ(PGⅠ)とペプシノゲンⅡ(PGⅡ)の2種類あり、胃の萎縮状態が進むにつれて血液中のペプシノゲン量は低下していきます。 胃の萎縮度は、PGⅠの測定結果とPGⅠ/PGⅡの比率の組合せで判定します。PGⅠの測定結果が単独で低い場合より、PGⅠも低くかつPGⅠ/PGⅡの比も低いという場合のほうが、萎縮度が進んでいる(強度の陽性)といえます。PGⅡはPGⅠとの比率を出すために測定しますので、単独での測定結果は、さほど重要ではありません。

ピロリ菌抗体

【ピロリ菌抗体】

検査の目的:ピロリ菌に感染しているかどうかを調べます。

ピロリ菌は胃の粘膜表面に棲みつく細菌です。多くは子供のころに感染し、除菌しない限り胃の中に棲み続け炎症を起こします。この炎症が続くことで慢性胃炎、さらには萎縮性胃炎と進みます。萎縮が進行すると、粘膜に異変が起こり胃がんを引き起こしやすい状態になります。ピロリ菌陰性者(菌を持たない人)を10年間観察したところ胃がん発症0%だったのに対し、陽性者(菌を持っている人)は同期間にて胃がん発症2.9%だったという報告があります(Uemura N. et al.: N Engl J Med. 2001 ; 345(11) : 784-9)。

ピロリ菌に感染するとピロリ菌に対する抗体が産生されて血中に出てきます。この数値を測定することでピロリ菌に感染しているかどうかを調べることができます。